2009年11月10日

なぜか山岳小説

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夫が実家から新田次郎の小説を持ってきたので、最近の入眠読書はずっとこれ。
新田次郎といえば、最近映画化された「剣岳・点の記」や
「八甲田山」で有名な山岳小説を多く書いた作家。

めったに読書などしない夫が、珍しく毎晩読んでいるので、私もつられて読んでみた。
登山家で気象の仕事もしていたというこの作家さんは、
なるほど山についてはリアルだけど、恋愛描写は苦手のようで…^^;
持っている中でおもしろかったのは、下記の3作かな。

富士山に観測所を建設しようとした野中至の夫人、千代子の物語「芙蓉の人」
…明治女性の気骨が素晴らしい。
単独行で有名だった加藤文太郎が、一度だけ組んだパーティで遭難した「孤高の人」
…ラストが哀しい。
凍傷で足先を失いながらも、登山を続けた「栄光の岸壁」
(…って、これ上巻しかないし!下巻買わなきゃ…;)
    
いずれも山の厳しさ(特に冬山)が疑似体験できて、
「寒い」「苦しい」「痛い」気分が味わえます^^;
(いや、それだけじゃないでしょ…)
苦しくて辛いのにどうして山に登るのか…「孤高の人」は、それがテーマ。
ぐいぐい読ませる筆致は、さすがに経験したものならでは。

いや~私にはとても無理な世界だけど、登山をする友人(女性)の
体験している世界が垣間見えるようで、なかなか興味深かった。
ワカン、ラッセル、アイゼン…山の用語も多少わかるようになったし♪

少し前にNHKでやっていた「北アルプス大縦走」を、夫が録画したのを見た。
(NHK名古屋→ウッチーの山ブログ

本来、登った者しか見ることのできない素晴らしい景色を、見せてもらった。
久住の景色ですら、胸が詰まる思いがするのに、
アルプスを実際に自分の目で見たら、感動で口もきけなくなるだろうな。
この番組の有名な女性登山家も、しなやかで素晴らしい方だった。

私が自らは選んで読まないだろう分野の本を読めて、新鮮だった。
夫もたまには役に立つわね。昭和52年発行…
なるほど、私が指輪物語を夢中で読んでいた時、
夫は新田次郎を読んでいた、というわけか。

夫は山が好きで独身の頃はよく登山をしていた。白馬や大山など。
大学の夏休みには住み込みで山小屋でバイトもしていたそう。
山小屋に荷物を上げる「強力(ごうりき)になりたかった」と聞いたこともある。

まだゴジラ息子が1歳の時、仲間で行った久住登山。
ゴジラを背負子でせおい、自分のリュックを前に下げて、
途中へばった私の荷物も持って(←こら)
ひょいひょい岩場を登って行く夫を見た仲間から「バケモノ…」というつぶやきが聞こえた。

海の近くに生まれた私は山より海が好きだったけど、
夫に連れられて無理やり山に登らされるようになり(笑)、
その素晴らしい景色を見て、山に夢中になる人の気持ちが少しだけ…わかる気がした。

今は、中高年の登山者が非常に多いらしい。
どうかどうか、事故のないように…。
ラベル:新田次郎
posted by hibari45 at 21:01| Comment(12) | TrackBack(0) | 読書 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私も孤高の人だけ持っています。
以前お付き合いのあった殿方からいただきましたが、
その世界観はいいのですが、私にはしんどかったです。報われないのがなんかね~。

実家に帰ったら持って帰ってこようかな。今ならどうだろ?
Posted by T at 2009年11月17日 18:22
◆Tさん
あらまっ、Tさんもお持ちなのですね。
読み返したらまた違った印象があるのでしょうか。
あ、今から読むのはやめた方がいいですよ。
寒くなるから~^^;

殿方はこういう厳しい世界観が好きなんですかね~。
まあ、実話をもとにした小説だから仕方がない面もあるのでしょうけど、
私はやっぱり「いま、帰っただよ」がいいですね~(笑)
Posted by hibari at 2009年11月18日 20:26
厳しければ厳しいほど、そのきつさがある種麻薬になるんですよね。ほんとに忘れられないんです。だから一番きつい冬山が一番強力な魅力(魔力)があります。更にその中でもヒマラヤが一番なんですよね。わたしも55になったら絶対いくと決めているんですよー。何ヶ月かヒマラヤとシャモニあたりをうろついてみたいというのが夢です。
ご主人が新田次郎を読んでおられた頃、私も同じく山岳小説ばかり読み漁っていましたね。特にヒマラヤの実際の登攀・遠征の記録が主でしたので、小説はあまり読んでいません。
新田次郎は好みがわかれ、山岳描写でもあまり評価が高くなかったりもするようですが、読み物としてはまぁ引き込まれるほうですよね。そういえば私も銀さんから押してもらったのですが、沢木耕太郎の「凍」もいいですよ、お勧めです。
Posted by ハマ at 2009年11月18日 23:21
黄色の伏字、何かと思ったら!(笑)
「八甲田山~」は夏に読んでも寒いですよ~。
(そういえば、読んだのは高校時代だ!)
私もハマさんの影響で、山岳ものを少しだけ読みました^^。
「凍」は、沢木耕太郎だから、というのが読んだ理由の大半だったけど、読んでよかった。面白かったよ!
その後、「空へ」、「デス・ゾーン8848」の2冊(同じ遭難事件を別々の当事者が書いたもの)を読んで、未知の世界だった登山がどういう風に行われるのか、何が大変なのか、少しだけわかりました。
私も登山はしないと思うけど、なんだか圧倒されますね~。
長距離走者に出る苦痛を和らげる脳内麻薬みたいなものが、登山者にも出るのかな?(私は散歩ぐらいで出ますが^^;)
Posted by 銀 at 2009年11月19日 00:17
◆ハマさん
>一番きつい冬山が一番強力な魅力…うーんなるほど~深いわ~。
きついほど、達成感も大きいでしょうからね。日常生活ではそれほどの達成感は
なかなか味わえないものね。まさに山に魅せられるんですね。

ヒマラヤ、ハマさんならきっとできるよ、うん。
応援してますよ。声援と祈ることしかできないけど…。
ただ怪我や事故だけには気をつけてくださいね(くどいですね)

「凍」…それはまた、寒そうな…(笑)
Posted by hibari at 2009年11月19日 21:06
◆銀さん
あら、見つかったのねん♪

私はこういう系統はあまり読んだことがないので、新鮮でした。
「凍」…さっそく借りてきたよ。ついでに「壇」も(笑)
沢木耕太郎、知らなかった。
機会があれば他のも探してみよう。ジャンルが広がるわ~♪

>散歩で脳内麻薬…爆!
たしかに、散歩ハイってのはあるかもしれん。
むか~し卓球ハイにもなったことがあったっけ…(なんじゃそりゃ)
Posted by hibari at 2009年11月19日 21:06
横レス含みます・・・
銀さん、そうですよね。あのヒマラヤものは読み始めると一連のもの全部よみたくなる。同じアクシデントに関わった人が別の角度で書いたものを読みたくなります。あのブラックサマー(大量遭難のあった1996)はドキュメンタリ映画にもなっていて、たまたま今年フィリピンでみて痛みも新たでした。
あとね、女性クライマーの人生を描いた「K2非常の頂」も、ハードカバーで厚いけど読み応えありますよ。女性として考えるところ大です。
日本人クライマーでは登山界の貴公子とよばれた加藤保男さんを描いた「エベレストに死す」もいいですよ。加藤さんは私が一番すきなクライマーです。
Posted by ハマ at 2009年11月19日 22:02
「卓球ハイ」、あはははは!!
なんか懐かしいね~。
またみんなでやったら、2分ぐらいでハイになるかもね(笑。
「凍」、寒いだけじゃなくて、痛いよ!
でも読後感は非常に良いの。
「壇」も借りてきたのね。私はそちらは未読なのです。借りてこようかなぁ。

横レスですけど、ハマさん、あの96年の遭難はドキュメンタリ映画になってるんですか。すごいですね~。探してみます。
ご紹介の本の方も読んでみよう。いつも図書館や書店であれ?何だったっけ?とタイトルが思い出せずに未読なのです。K2非常の頂の方は、ミステリに似たようなタイトルの本があるのか、いつも混乱してしまって。今度はメモしていきます^^;。
Posted by 銀 at 2009年11月19日 23:42
うちの父も会社の山岳部にいて、新田次郎をよく読んでました。その山岳部について小学校4年のときに八ヶ岳に上ったこともあります。
今の自分はとてもじゃないけど、山登りなんて~、と思いますが。
私もそういう種類の本は読まないんですが、一冊くらいはいいかもしれませんね~。
小説じゃなくて実話なんですが、連れ合いが非常に感銘を受けた作品にTouching the Voidという映画がありまして、原作の本もあるようです。
http://en.wikipedia.org/wiki/Touching_the_Void
日本語では、「運命を分けたザイル」となっているようですね。
http://movie.maeda-y.com/movie/00469.htm
Posted by Johnnycake at 2009年11月20日 20:13
◆ハマさん
横レス歓迎(*^^)v

ブラックサマー…そんなことがあったのですね…;
色々、興味深そうな本のご紹介ありがとうございます。
機会があったら借りて読んでみますね。

私も…( ..)φメモメモ
Posted by hibari at 2009年11月20日 21:33
◆銀さん
では今度お集まりをやる時に、みんなで卓球ハイになりましょう♪
卓球できるところを探さねば~(笑)

「凍」…い、痛いとな!?ヒィー(((゚Д゚)))
Posted by hibari at 2009年11月20日 21:34
◆Johnnycakeさん
おお、お父様は山岳部だったのですか。
小学4年で八ヶ岳!!それはすごい!!
私なんて30才で久住ですもん(^_^;)
でもJohnnycakeさんは山岳の世界には行かなかったんですね~。

「運命をわけたザイル」…題名だけは記憶にあるような気がします。
>共倒れをふせぐためにザイルを切る…「バーティカル・リミット」の
冒頭のシーンを思い出します。
あれは兄が切る決断をするのでしたが…辛いものですね。
DVD出てるかな?探してみよう。

皆様のおかげで、楽しみが増えました。
ありがとうございますm(__)m
Posted by hibari at 2009年11月20日 21:40
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